[獣医師執筆] ペットのおしっこトラブルとその解決方法

ペット総合

 ここ最近気温も下がって、季節も秋を感じ始めました。お家にいるわんちゃん猫ちゃんも毛皮が生え変わり、そろそろ冬支度を始める時期ではないでしょうか。

そんななか、この時期から徐々に増えてくるのがおしっこのトラブル、尿石症です。我々人間でも身近な病気ですが、わんちゃん猫ちゃんではどのような病気で、どんな対策をしたらいいのでしょうか。

尿石症とは

 尿石症とは、おしっこの中に排泄されるミネラル分(ナトリウムやカルシウム、リンなど)が結晶化し、尿の通り道である尿管や膀胱、尿道に停滞することで結石を形成する病気です。

この結石が詰まってしまったり、炎症を引き起こしたりするこでわんちゃんや猫ちゃんの体調を悪くしてしまいます。

とくに雄のわんちゃん猫ちゃんは尿道が細く長いため、結石が詰まってしまうことが多いです。

症状

 一番多い症状は、頻繁におしっこをしようとする姿勢をとるがちょこっとしか出ない、トイレに何度も行き来することです。

ちょこっとでたおしっこを見てみると、赤かったり濁っていたりします。これは結石が引き起こす炎症によって血尿が起きていることを意味します。

ただし、これらの症状は膀胱炎のときも同様の症状がでますので、注意が必要です。

 また、尿管の中に結石が詰まっている場合は、このような症状は見られません。尿管は腎臓と膀胱をつなぐおしっこの管のような役割があり、腎臓と同じく左右1つずつあります。

このどちらか片方もしくは両方に結石がつまってしまうとおしっこが膀胱に送られなくなってしまい、腎臓に負荷がかかり腎臓病になってしまいます。

片方の尿管だけが詰まった場合であれば、もう片方の腎臓が頑張って働くことで症状がでないこともあります。両方の尿管が詰まってしまった場合は腎臓病の症状(嘔吐や食欲不振など)が見られることが多いです。

治療

 結石が悪さをしている場所によって治療はことなります。尿道につまってしまった場合は、それを細い管をつかって膀胱の中に押し戻してあげなければなりません(尿道は先端にいくにつれて細くなるので、そのまま取り出すことができません)。

膀胱の中の結石は食事管理で尿中に溶かすことができますが、結石のタイプによっては手術で取り出さなければならない場合があります。特に猫ちゃんの結石は食事で溶けないタイプの結石が多く、手術で取り除いても体質的にまたできてしまうことがあります。

尿管にできた結石も手術で取り除くしか除去する方法はありません。

こんな時どうしたらいいの…

 前述であげた症状が見られた場合、基本的には動物病院の受診をおすすめします。

膀胱炎であれば命に関わるような状況に陥ることは少ないですが、尿道や尿管に結石が詰まってしまった場合は状況によっては急を要します。

とくに、食欲がない/吐いているなど体調があきらかに悪そうな場合は、翌日をまたずかかりつけ医さんや救急の動物病院にご相談くだいさい。

 これからの時期さらに寒くなり、お水を飲む量が減ってしまうとおしっこが濃くなり結石もできやすくなってしまいます。また一度結石ができたもしくは詰まってしまった場合は、繰り返すことが多いため注意しましょう。

;(function($){baguetteBox.run(".entry-content")})(jQuery);const observer=lozad(".lozad",{rootMargin:"0px 500px 500px"});observer.observe()}catch(e){console.error("WP-Optimize Minify: An error has occurred in the minified code. \n\n- Original script: https://pet-guide.net/wp-content/themes/cocoon-child-master/javascript.js\n- Error message: "+e.message)}
タイトルとURLをコピーしました