近年新型ウイルスの大流行で、咳や喉の痛み、呼吸が辛いなどで病院にかかる方が多くなったと思います。
もちろんわんちゃん猫ちゃんも咳や呼吸が苦しくなってしまう病気はたくさんあります。
大切な家族の一員が、呼吸が荒く苦しそうにしているととても心配になりますし焦りますよね。
原因は病気によって様々ですが、ここではよく見かけれる呼吸が荒いもしくはくるしそうにしている時の原因についてお話します。
呼吸器の病気のタイプ
大きく分けて鼻から喉にかけて問題がある場合と、気管から肺にかけて問題がある場合があります。前後者ともに起こりやすい病気や犬種がありますので、注意が必要です。
鼻から喉にかけての病気
短頭種気道症候群(パグやフレンチブルドックなどの鼻が短い犬種)は非常に多い病気です。
もともと鼻の穴が狭く、さらに喉も狭いため常に息がしにくい状態です。
ひどい子では普通に息をするだけでもガーガーとガチョウが泣くような音がします。
その他鼻の中の異物吸入やしこり、喉頭(気道の入り口)の異常で息が吸えないもしくははけない状態になることがあります。
気管から肺にかけての病気
気管虚脱(気管が狭くなっている病気)は一般的な病気で、ひどい場合では咳が止まらなくなって呼吸困難になります。
また、肺炎や肺水腫(肺の中に水が溜まってしまう状態)は肺の病気の中でも緊急性が高い病気です。また胸水(肺の外に水が溜まってしまい肺が膨らまない状態)によって呼吸ができない場合もあります。
本当に呼吸が苦しいのか?
ここでお話した内容はあくまで呼吸が苦しい場合の病気についてです。呼吸が苦しくなくても呼吸が荒い/苦しそうに見えるパターンとして、
-高体温(発熱)
-痛み
-呼吸器以外の病気
が上げられます。
高体温(発熱)
高体温(発熱)で呼吸が荒くなってしまうことはよくみられます。
わんちゃん猫ちゃんは汗をかけない生き物(汗腺がほとんどない)なので、体温が上がると口から熱を逃がそうとしてハアハアするわけです。
想像しやすい病気としては熱中症ですが、それ以外でも起こります(例えば過度の興奮や感染症やけいれん発作など)。
痛み
痛くて呼吸が荒いこともしばしば見受けられます。痛みの原因は、捻挫や骨折であればある程度すぐにわかります。
よくあるのは、じっとして動来たがらない/抱き上げたらキャンとないたという症状がみられた場合は、椎間板ヘルニア(いわゆる腰痛)が原因になっていることが多い傾向です。
呼吸器以外の病気
腎臓病のわんちゃん猫ちゃんは、容態が悪化した際に呼吸が荒くなります。
これは苦しいためではなく、腎臓病によって体の中の崩れたミネラルバランスを呼吸をたくさんすることで整えようとする反応です。
場合によっては緊急性が高い状態と言えます。
呼吸が荒い/苦しそうなときは。。。
大事なのは本当に呼吸が苦しいかどうか、です。
しかしこれを自宅で判断することは非常に難しいのが現状です。たとえ痛みがひどく呼吸が荒くても、さっすてあげるレベルでは改善できない場合もあります。
体を触って熱そうな場合は、冷やしてあげると呼吸が落ち着く場合はありますが、そもそもわんちゃん猫ちゃんで発熱する病気は重篤なものが比較的多いのも事実です。
呼吸器の病気は刻一刻と悪化することもありますので、様子を見ていいかどうか判断できないときは、すぐにお近くの病院にご相談ください。