「要注意!獣医師が伝えたいクサガメがなりやすい病気」

カメ

前文

「犬や猫に比べてカメは世話が楽」「カメは長生きだから病気なんて滅多にしない」
このような誤った情報を信じていませんか?確かにカメは平均寿命が約20年、最長約40年と犬や猫と比較して長命な動物ですが、それはあくまでも「適切にお世話をすれば」の話です。

今回は現在自宅でクサガメ2匹と暮らしているオーナー兼獣医師の立場からクサガメがなりやすい病気を3点お伝えしたいと思います。

① 耳の感染症

カメの耳は人間と異なり、外耳が無く鼓膜によって中耳と外界が区切られており、眼の後方に位置しています。

症状としては初期では鼓膜部分がやや充血し、わずかに腫れているように見える程度ですが、中耳内に膿が充満してくると数日のうちに鼓膜が大きく突出し、腫れているのが一目瞭然となります。

原因としては多くの場合、不衛生な環境下や不適切な水温下でクサガメを飼育していることであり、そのような環境の下でクサガメの免疫力が下がった結果、口腔内から中耳につながる管を介して細菌感染が引き起こされます。 

治療は初期の場合は抗生物質の投与で改善することもありますが腫れがひどい場合などは麻酔下で外科的に鼓膜を切開し、中耳内の炎症産物を除去する必要があります。

予防としては水槽内の環境を清潔にすること、かつ適切な水温を厳守すること等が挙げられます。

② 甲羅の異常

(半)水棲カメの甲羅は定期的に脱皮を重ねることで哺乳類の皮膚と同じように新陳代謝します。この正常な脱皮を行うためには「適切な栄養」「適切な日光浴」が非常に大切ですが、飼育下でこれらの要素が欠乏すると甲羅の異常を招きます。

症状としては甲羅が異常に剥がれてきたり、逆に脱皮が全く見られず古い甲羅と新しい甲羅との間に汚れがたまり、それが感染源となり甲羅の感染症が発生することがあります。

治療は初期の場合は適切な日光浴の実施や甲羅の消毒で改善することもありますが
重症の場合は古い甲羅の除去や感染部位のデブリードメント、抗菌薬の投与など長期に渡る治療が必要となります。

予防としては前述したように適切な栄養摂取のためにカメ専用フードを与えることや適切な日光浴の実施が挙げられます。

③ 呼吸器の感染症

カメの呼吸は、通常鼻呼吸によって行われています。声帯が無いため発声することはできませんが興奮時に噴気音を発することがあります。

また、横隔膜も無く咳をすることができないため、一度肺炎に罹患すると回復が難しいとも言われています。

症状としては鼻水が出ていたり、興奮時や威嚇時以外の安静時に開口呼吸を行うことなどがあります。
また、重度になると炎症を起こしている肺と起こしていない肺の間で溜まっている空気量に違いが出るため、炎症を起こしている側が沈むように傾いて泳ぐことも見られます。

治療は主に抗菌剤や抗真菌薬、消炎剤による対症療法が中心となります。

予防としては季節や昼夜を問わず、水槽内の水温を適切な温度に保つことや水槽内の環境を清潔に保つこと等が挙げられます。

後文

いかがでしょうか?残念ながらカメを適切に診ることができる動物病院がまだまだ少ないのが現状ですが、オーナーさんの正しい知識で大切な家族の一員であるクサガメさんの健康を守ってあげましょう!!

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