犬はバカなんかじゃない!~無駄吠えを悪化させる要因、上手なしつけの例について解説

はじめに

よく「うちの犬はバカ犬で・・」なんて事を聞いたりした事、ありませんか?

まずわんちゃんは元々バカなんかじゃないんです。

犬はとても頭のいい動物です。

無駄吠えについて

お散歩中やおうちでの無駄吠え、それはもしかしたら自分のテリトリーを守るため、飼い主さんを守るためにしている行動かもしれません。

わんちゃんにとっては、本能ですので当然の行動です。

それは飼い主さんより上になっている場合、家族を守らないといけない!と思っての行動なのです。

犬の世界は上下関係がとても厳しい世界。

リーダーが下の者を守るのは当然なのです。

だからおうちのわんちゃんは、自分がリーダーだから自分が守らないといけないと思い、吠えて威嚇して危険を遠ざけようとしているのです。

わんちゃんにとっては、仕事をしているという気持ちですね。

無駄吠えを悪化させる要因

もう一つ。

例えばお散歩中に何かがきっかけで吠えたりした時、飼い主さんは吠えるのをやめさせようとして、抱っこしたり身体に触ったりしていませんか?

それが原因です。

わんちゃんは頭がいいので勘違いしてしまうのです。

吠えた時に抱っこされたり、身体を触られたりすると、「褒められているんだ!」と思ってしまいます。

そうすると「次も頑張ればまた褒めてもらえる!」と思ってしまいます。

飼い主さんは落ち着かせようとして、抱っこしたり撫でたりしているのかもしれませんが、逆にわんちゃんにとってはご褒美を与えているようなものなんです。

上手なしつけの例

ちなみに私が警察犬訓練所にいた頃に担当した小型犬がいたのですが、まずハウスから出てこない。手を出せば噛み付く。ハウスを分解して首輪を付けようとすれば噛み付く。

そして普段は常に吠え続けている。

そんな子がいました。

その子もやっぱり、吠えたら抱っこ、唸ったり噛みつこうとしたら飼い主さんは触るのを諦める。そんな生活をしていた子でした。

毎日毎日、まずは首輪を付ける所から始め、大好きなおやつを使いながら騙し騙し。

そして首輪が付けられるようになったら今度はハウスから出ること。

こちらも最初はちょっと無理矢理ハウスから出してましたが、ハウスから出るとおやつが貰えると理解してからは、自分から飛び出してくるようになりました。

ここまでに5日ぐらいかかりました。

そして本格的にしつけを始めたのですが、とても素直でいい子でした。

教えた事はすぐに覚え、無駄吠えもなくなり、噛み付く事は一切しなくなりました。

逆に私に甘えて来るぐらいでした。

このわんちゃんは私をリーダーと認め、言う事を聞いたり甘えたりすれば、自分にとって良いことがある、と理解したのです。

そしてこの子は卒業の記念に、訓練の大会に出場しました。

もちろん飼い主さんも見守っている中、いつも通り頑張ってくれて、結果は30頭以上いる中で3位となりました。

しつけの方法は飼い主さんにもちろん教えて、おうちに帰ってからも今までの問題行動は一切なくなったそうです。

「バカ犬だと思っていたけど、こんなにできる子だったんですね・・・」

そう飼い主さんは言っていました。

まとめ

天才犬にするのも、バカ犬と呼ばれる犬にするのも、全て飼い主さん次第です。

もし今、うちの犬はバカで・・と思っている方がいるようなら、愛犬に対する言動を見直してみてください。

見違えるようになりますよ。