猫飼いさま必見!マタタビの効果、効能、注意点について解説

はじめに

 猫飼いのみなさま。「猫にまたたび」ということわざを聞いたことありますよね。とても好きなもの、与えると大喜びするもののたとえです。

 このまたたび(以下マタタビと表記します)、「猫ちゃん大喜び」といったキャッチコピーをつけた商品がペットコーナーで売られているのを目にした方、購入した方も多いのではないでしょうか。かく言う私も、そのキャッチコピーに乗せられて枝・粉末を購入したことがあります(笑)。そして今もときおり粉末を与えることがあります。

 わが家の猫(4匹)、与えた時の反応に個体差はありますが、使用前後で明らかに行動に変化が見られます。表現するなら、「生き生きとする」、「うっとりする」、「めろめろになる」でしょうか。

 ライオンなどネコ科の猛獣でさえ陶酔させてしまう力を持つマタタビ。その効果・効能について以下まとめていきたいと思います。

マタタビって何?

 マタタビは全国の里山に自生するつる性植物で、枝・葉・実に動物を活性化させる成分が含まれています。その中でも特に、虫こぶのできた実=「虫癭(ちゅうえい)」が高い機能を有していると言われています。

 人間との関わりでは、縄文遺跡から実が出土しており、数千年前から利用されていたことがわかっています。名前の由来の一説に、長旅に疲れた旅人が実を食したら、“また旅”を続けられるほど元気になったというものがありますから、古来より滋養強壮・疲労回復の効能は知られていたのでしょう。

マタタビを与えるとどうなる?

 猫にマタタビを与えるとどうなるでしょうか?

 先に「生き生きとする」、「うっとりする」、「めろめろになる」と書きましたが、具体的には、鼻先に付いたマタタビを舐める、噛む、頭・体をこすりつける、くるくると回転するなどのしぐさを見せます。なぜそんなしぐさを見せるのかまだ確定的なことは言えないようなのですが、マタタビラクトンという含有成分が上あごにあるフェロモンを嗅ぎ取る器官を通ることにより、中枢神経が刺激され軽い麻痺を起こし、ある種の性的興奮を覚えさせているからという説が有力です。

 運動・反射・呼吸など動物の行動をコントロールする中枢神経に作用するのですから、トラ・ライオンなどの大型ネコ科動物でさえめろめろにしてしまうのも頷けますね。

効果・効能は?

<ストレス解消・リラックス効果>

 含有成分のマタタビラクトン、アクチニジンの作用により恍惚・陶酔するため、ストレス解消・リラックス効果が期待できます。多頭飼いでストレスをため込んでいるわが家の猫ちゃん、このときばかりは「ああっ幸せ…」という表情を見せます。良いストレス発散になっているのでしょうね。

<食欲増進・健胃効果>

 猛暑日が続く真夏は猫の食欲も落ちますよね。こんなときはキャットフードにマタタビ粉を一振りしてやると…あら不思議、ガツガツと食べ始めるではありませんか。これは、含有成分のアクチニジンがタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)として働き、胃の消化吸収を助け食欲増進をもたらすためと考えられています。

与え方と注意点

 猫を元気にする力を持つマタタビ。どのような与え方が効果的でしょうか?

<オモチャに振りかけて>

 ねずみのオモチャなど毛のあるものに粉末を振りかけ、目の前でチラチラさせてみてください。狩猟本能を刺激され噛みついたら、次にはマタタビラクトンによる陶酔が始まるでしょう。

<キャットフードに振りかけて>

 同じキャットフードを与え続けていると飽きがきて、食いつきが悪くなることありますよね。そんな時は、一振りしてやると状況を一変させることができます。食欲の落ちる夏にも効果的にお使いいただけます。

<大量摂取に注意>

 こんな力を持つものだからこそ注意しなければいけないことがあります。

 マタタビは反射や呼吸などをコントロールする中枢神経を軽く麻痺させ、猫を陶酔状態にします。それも粉の一振りで。なので大量に与えると中枢神経が異常に麻痺、呼吸困難を起こす恐れがありといわれています。

 それでは、イエネコへの適正な一回の給与量はどれくらいなのでしょうか?

 いろいろ調べてみたところ、「耳かき半分ほど=0.1g未満」~「0.25g」などと見解が分かれているようです。市販されている添加物なしの粉末は、「一日一回0.25g」としています。つまるところ、どれくらい与えると問題が起こるか実験するわけにもいかないので、猫が陶酔する量を確認してそれを適量としているのだと思います。ですから、市販のものが推奨する「一日一回0.25g」を基本にすれば問題なく猫を元気にできると考えていいでしょう。

 大量摂取を防ぐために、マタタビの保管場所にも注意を払う必要があります。

 猫の手の届くところに無造作に置いておくと大量に摂取してしまうことも考えられます。猫は人間の何百倍~何千倍の嗅覚を持つといわれていますから、引き出しの中や密閉容器などに保管しておくのが事故防止につながります。

最後に

 大事な猫ちゃんが病気でもないのに元気をなくしているという猫飼いさま。多頭飼いの中でストレスを抱えている猫ちゃんを心配している猫飼いさま。試しにマタタビを与えてみてはいかがでしょうか?多少の個体差はありますが、何らかの変化を目の当たりにすることでしょう。それも良い方向で。

 このレポートが猫飼いのみなさまのお役に立てれば幸いです。