リチャードソンジリスは歯が一生伸び続ける動物です。
そのため、折れてしまうトラブルが発生しやすいともいわれています。
本記事では、歯が折れた際の正しい対処法や自宅でのケア、再発防止のポイントを解説します。
前歯が折れる原因
リチャードソンジリスの折れやすい部分は、げっ歯類の特徴である切歯です。
切歯は上下2本ずつ、計4本が、生涯伸び続けます。
そのため、ケージを噛んだり、勢いよく物に前歯をぶつけたりなど、ちょっとした動作が原因で折れることも少なくありません。
折れた直後は、口回りを気にしたり中には「口が変」と訴えるような行動を見せることもあります。
ですから、飼い主は日頃からジリスの行動を気にかけ、健康状態を毎日チェックしましょう。

歯が折れたらすぐに動物病院へ!
歯が折れたら速やかに専門の動物病院を受診してください。
なぜなら、歯のトラブルが引き金となり、病気にかかる可能性があるためです。
診察では骨が折れていないかレントゲン検査を受けることが一般的です。
たとえ、骨には異常が見られなくても、経過観察として通院が必要になるでしょう。
通院の際は、獣医師の指示のもと再診し、歯が伸びて正常な状態に戻っているかを確認します。
自宅でケアする際のポイント2つ
診察後、自宅で様子を見る際、気をつけたいポイントがあります。
このポイントを意識すれば経過観察に役立ったり、ジリスへの負担軽減につながるでしょう。
ここでは、自宅でケアする際のポイントを2つ紹介します。
柔らかいフードに切り替える
歯が生え揃うまでは硬いペレットではなく、お湯でふやかしたフードを与えましょう。
おやつ程度であればすりおろしたりんごなどのフルーツも有効です。
もし食べる気配がない場合、飼い主さんがスプーンで口元に運ぶと食べてくれる可能性があります。
歯が生えてきたら水分量を減らし、徐々に通常通りの固さに戻してあげましょう。
食欲の有無をチェックする
歯が生え揃うまで食欲の有無をいつもより入念に観察しましょう。
もし、食欲がないと感じた場合、早めの診察をおすすめします。
稀に、歯が折れても臼歯でペレットを噛み、普通に食べているジリスもいます。
しかし、ジリスは前歯で噛むことが一般的であるため、食べ方が分からず食欲が落ちてしまうケースもしばしばです。
歯が生え揃うまでに要する期間は2週間前後と言われているため、その期間は入念に健康チェックしてあげましょう。
不正咬合や歯牙腫に注意
2週間たっても前歯が伸びてこない場合や、折れ方がひどい場合は、再び獣医師による検査が必要です。
なぜなら、不正咬合や歯牙腫(オドントーマ)など、外科的な対応が必要になる可能性があるためです。
こうした症例が出た場合、手術による歯の除去などが検討されるため、エキゾチック動物に詳しい病院での診察がおすすめです。
日々のケアを大切にしてジリスの健康を維持しよう
リチャードソンジリスの前歯は一生伸び続けるため、折れるトラブルはさほど珍しくありません。
万が一、歯が折れた場合でも、まずは専門の動物病院で診察を受け、柔らかい食事に切り替えて様子を見ましょう。
重要なのは定期的に歯の状態をチェックし、異常があれば早めに対処することです。
つまり、日々の小さなケアが、トラブル予防につながるのです。
