あるテレビ番組をきっかけに、フクロモモンガを飼育する人や、飼育してみたいという人が増えて来ました。
私個人は、その番組以前からフクロモモンガを飼育する事を決めており、現在も2匹のフクロモモンガをペアで飼育しています。
とても可愛くて、毎日癒されているのですが、飼育環境によっては、良い事ばかりではありません。
実際、「里親募集」のページで、フクロモモンガの里親を探している方も多く、やはり「可愛い」というだけでは飼育出来る生き物ではない事を思い知らされる日々です。
そんなフクロモモンガですが、飼育環境のメリットとデメリットを知っていたら、もっと良い関係でフクロモモンガを飼育出来る人が増えるのではないかと思い、今回は、飼育環境のメリットとデメリットを書いてみようと思います。フクロモモンガの生態(餌や飼うときに気を付けたいこと)
【ケージについて】
まず、フクロモモンガをお迎えしてから、部屋の中で放置するという訳にはいきませんので、飼育する為のケージが必要になります。
主に2つの選択肢があります。
その2つとは、鳥のケージを利用した金網のケージと、アクリルのケージです。
では、そのメリットとデメリットについてお伝えしたいと思います。
鳥かごを利用した金網ケージ
《メリット》
・安く買える
・高さのあるものが用意出来る為、運動になる
・止まり木や棚や遊具の取り付けが自由自在
・ヒーターのコンセントの穴を気にせずに色々なレイアウトが出来る
・引き出し付きだと下にたまった排泄物やエサを取り換えるのに便利
《デメリット》
・排泄物やエサが散らばる
・匂いがきつい
・保温がしにくい
・底が網目だと足がはまる
この様な、メリットとデメリットが挙げられます。
野生化では高い木の上で生活している為、フクロモモンガのケージにはある程度の高さが必要になります。その願いを安くで叶えられるのが、金網のケージです。
その一方で、網目から、簡単に排泄物やエサを飛ばします。
フクロモモンガはエサをコシとって食べる為、必ず「ペッペカス」というものが出ます。そのカスもまき散らします。
アクリルケージ
《メリット》
・散らかしが外に出ない
・保温に優れている
・匂いが少し軽減される
・掃除が拭き掃除で楽
《デメリット》
・フクロモモンガ専用のアクリルケージは高い
・安く済ませようとすると高さが確保出来ない
・好きなところに飼育道具や遊具がレイアウトが出来ない
・ヒーターのコンセントを通す穴を確保するか外付けの高価なヒーターを設置しなければならない
・床材を用意しなければいけない場合もある
アクリルケージではこの様な、メリットとデメリットがあります。
とにかく匂いやケージの外の汚れを減らしたい人には良いと思います。
また、フクロモモンガは保温も重要になるので、保温の確保が出来る面でも、アクリルケージはオススメです。
ただ、金網の様にどこでも空間がある訳ではないので、空いている穴を上手く利用して、飼育道具や遊具、ヒーターを取り付けなければいけません。
壁に足掛かり的なものがないので、中に止まり木や紐などの遊具が必要不可欠になります。
また、下に金網のないものは床材が必要になります。
ケージに関しては、高さを取るのか、保温性や匂い軽減を取るのかを飼い主さんが選択しなければいけません。
金網を選択した場合は、ホームセンターなどでビニールシートが切り売りしているので、それを利用して飛散防止や保温確保などすることをオススメします。
【回し車について】
フクロモモンガの飼育下で必要になるのは、保温と高さと運動です。
それを解消する為に、「回し車」を入れてあげるという方法があります。
しかし、これも賛否両論で、メリットとデメリットがあります。
《メリット》
・運動が安易に出来る
・ストレス解消が出来る
・肥満になる事を防げる
《デメリット》
・回し車の回転によってケガをすることがある
・爪が挟まって折れる事がある
・ケージが狭くなる
このようなメリットとデメリットがあります。
デメリットの一番は、ケガです。回転すればするほど、加速するので、急に止まれず振り落とされてしまったという事例や、回し車の隙間に爪が入って爪が折れてしまったなどの事例があります。
モチロン、回し車を入れて飼育していらっしゃる方も多くいますが、こちらの回し車に関しても、意見が分かれているのは確かです。
【ヒーターについて】
これもフクロモモンガの飼育では必要不可欠です。
もともと温かいところで生活している生き物なので、ヒーターが必要になります。
部屋の温度をあげるか、フクロモモンガだけのヒーターを用意するのかによっても違ってきますが、大体、フクロモモンガのケージ内だけを温める方が多い様です。
しかし、ヒーターも色々な種類があり、それも種類によってはデメリットが発生しています。
鳥用のペットヒーター
《メリット》
・安くて、手軽に買える
・中に付けるので、見た目がスマート
《デメリット》
・保温球のカバーに爪を引っ掛けて取れなくなってしまう
・保温球の交換をしないといけない
・コードを通す穴が必要
外付けのヒーター
《メリット》
・上から全体を温められる
・温度の管理が簡単
・コードを通す穴が不要
《デメリット》
・値段が高い
・ケージの上に設置するので高さの確保が必要
小動物用のヒーター
《メリット》
・一応温める事が出来る
・流通が多いので比較的手に入りやすい
《デメリット》
・高温と中低温しかないので温度管理が難しい
・底に敷くので、寝床のところにヒーターを置くスペースが必要
・コードを通す穴が必要
フクロモモンガはケージ内の温度が高すぎても低すぎてもストレスを感じてしまう生き物です。
ですから、ヒーターは先ほども書いた通り、必要不可欠ですが、一番使われている鳥用のヒーターでは、穴に爪が引っかかってしまいそのまま…という悲しい話も聞きました。
安い分、使用する方が多いですが、爪切りを欠かさない様に、日々、気を付ける必要がある様です。
【まとめ】
今回は、「ケージ」「回し車」「ヒーター」についてのメリットとデメリットに触れてみました。
ケージに関しては、私自身は、どちらも使用しました。最初は高さが必要だと思い、高さ90㎝の金網ケージを使用していましたが、最近、アクリルケージに変えました。と言っても、ハムスター用の2階建てのケージをフクロモモンガ用に使用しているもので、これは高さが約50㎝くらいなので従来の金網ケージに比べると高さがなくなってしまいましたが、特に問題なく快適な様です。
金網ケージの時は、飛散防止策を日々考えていましたが、凄く遊んでいたので、なかなかアクリルケージに移すタイミングが掴めずにいましたが、意を決してアクリルケージに移行したところ、問題なく、肩透かしを食らったような感じでした。
回し車は、個人的には設置しておりません。その代わり、蚊帳を購入して、蚊帳の中で一緒に交流を兼ねて「蚊帳んぽ」して運動させてます。仲良くなれるのでオススメです。
ヒーターは、小動物用の置き型を使っていましたが、他の動物もいる為にオイルヒーターで部屋全体を27度に保っているので、個別のヒーターは蹴り落されてしまいました。という訳で、特別、フクロモモンガの為にというヒーターは設置していません。
今回挙げた3つ以外でも、性格面や爪切りなどで飼育が大変だと思っていらっしゃる方もいるかもしれません。
しかし、実際、フクロモモンガを飼育している方がたくさんいらっしゃるのも確かです。
里親サイトを見ると悲しくなりますが、慣れてくれると、本当に癒しの存在になると思います。
色々なデメリットをメリットに変えて、快適なフクロモモンガとの生活を送っていただければと思います。