獣医師執筆 発作が起きた!!わんちゃんの対処法あれこれ

愛犬の健康

 飼っているわんちゃんがさっきまで普段通りにしていたのに急に様子がおかしくなった!!全身が硬直して震えている!!なんて怖い経験をされたことはないでしょうか。

ご飯も食べ元気に遊びまわっていたわんちゃんが急に様子がおかしくなる、これは「発作」がおきている可能性が考えられます。

発作とはなんなのか?その原因は?これって本当に発作でいいの?…今回はわんちゃんの発作についてお話したいと思います。

 発作とは

 わんちゃんの発作はその原因によって大きく分けて3つに分類されます。

 ・脳や脊髄など中枢神経(体の中でも主要な神経)の病気

 ・代謝疾患(低血糖、腎臓病、肝臓の病気、ホルモンの病気など)

 ・心臓病

 さらに、脳の病気は脳に異常がある場合(腫瘍、脳炎、水頭症などの生まれつきの奇形など)と、脳自体にはなにも異常がないのに異常な脳波が勝手にたくさん出てしまう場合があります。後者の場合を特発性てんかん発作とよび、私たちがよく耳にする「てんかん」とは多くはこれを指します。

 代謝疾患とは、上記に挙げた体の中の病気によって引き起こされます。これは原因が様々なのでここでは割愛しますが、中でも多いものが低血糖発作です。1歳未満のわんちゃんで十分な栄養が取れていない子や高齢で病気で食欲がなかったり、吐いたり下痢をしているわんちゃんに見られることがあります。

 心臓病の発作はわんちゃんではあまり多くないですが、不整脈や肺高血圧症(肺への血液の流れが悪くなって酸素が全身に回らない病気)でみられます。

 どんな症状がみられるのか?

 多くの症状は全身の「けいれん」です。

自分の力ではしっかり立てなくなり、前足と後ろ足が突っ張ってぶるぶる震えている状態です。

ほとんどの場合意識はなくなってしまうため、おしっこやウンチを漏らしてしまうことが多いです。

また、たとえ意識はあっても(触れたりして反応があっても)本人は訳がわからなくなっているため、わんわん吠え続けたりバタバタともがき続けたりします。

このため体温はとても高くなることが多いです。発作が終わったあともしばらくはふらついたりして普段通りに歩いたりすることはできません。

 心臓病による発作の症状は「失神」になります。これは、普通にしていたら急に倒れて動かなくなってしまう(気を失ってしまう)状態です。

けいれんもせずぐったりとしてしまい、意識はありません。再び心臓が正常な動きを取り戻すと、スクッと立ち上がり何事もなかったかのように歩き始めます。

 発作がおきた!!どうしたらいい?

 基本的に発作を止めるお薬を投与することが最優先となります。発作が続く(重責)あるいは何度も起こる(群発)と脳へのダメージは取り返しが使いないものとなっていきます。

まずは近くのものを退け、わんちゃんの体がぶつかったりしないようなスペースを確保しましょう。

ここで抱き上げたい気持ちはやまやまですが、抱き上げても発作は止まることはありません。

むしろパニック状態のわんちゃんにむやみに手を出すと怪我をする(もちろんわんちゃん自身も)場合もあります。

すぐにお近くの動物病院に相談しましょう。なお、若齢であればガムシロップを舐めさせるこで低血糖を緩和させることはできますが、あくまで一時的なその場しのぎにすぎません。

 発作かな?と思ったら…

 非常に怖い状態ですが、その一部始終を動画に撮影することが結果的にその子の治療につながる大きな手がかりとなります。

しかし、もし家族のだれもそばにおらず一人きりの状態で愛するわんちゃんが苦しむ姿を撮影するのは難しいでしょう。

無理のない範囲で、頭の片隅に覚えておいていただければ幸いです。