先住猫と拾った猫を迎え入れる際に注意すべき6点

道端や公園の茂みの中で、子猫を見つけてしまったという経験はありませんか。

つぶらな瞳でこちらを見つめ、お腹を空かしている子猫を見てその場に放っておけなくなる気分を味わった方は多いのではないかと思います。

外に放置されてしまっている猫を飼うときには、注意しなければならないことがあります。飼い主の心配りと愛情で、先住猫と拾った子猫に最高の過ごしやすい環境を提供できるようにしましょう。

ここでは、すでに先住猫がいて、新たに拾った子猫を迎え入れる際に注意しなければならないことを紹介します。

先住猫と拾った子猫を迎え入れる際に注意すべき6点

先住猫と拾った子猫をすぐに対面させない
拾った子猫はしっかりと洗ってあげる
必ず動物病院で検査を受ける
部屋とゲージを分けて飼育する
子猫用のご飯選びと遊び道具の新調
先住猫への優先的愛情を忘れない

1、先住猫と拾った子猫をすぐに対面させない

外で拾ってきた子猫は、さまざまな病気を持っている可能性があります。そのまま自宅などで飼っている先住猫とすぐに対面させてしまうと、拾ってきた猫が持っている病気を移しかねません。

先住猫と拾ってきた子猫は必ず別々の部屋に置くか、またはお互いが対面しないような工夫をしてあげることが大切です。

また、病気を移してしまうだけでなく、突然知らない猫が近くに来ることはお互いに警戒します。猫は、テリトリー意識が強い動物なので、驚かせたりケンカになったりする原因を作ることは避けましょう。

2、拾った子猫はしっかりと洗ってあげる

まずはじめに、拾ってきた子猫はしっかりと洗ってあげましょう。

外猫は、あらゆる環境の中で日々の生活を送ります。草むらや排水溝の中など、人間では通ることがないような空間を移動することもあります。くわえて、ネズミや鳥などを捕食したり、ゴミを漁って食べたりするため、日々の生活の中で、体が汚れまみれになっていることが多いです。

拾った子猫は猫自身のためにも、飼い主のためにも必ず体をしっかりと洗ってあげましょう。
猫は水を怖がったり嫌がったりすることが多いですが、他の猫に感染させないためにも、清潔にしてあげることが大切です。

洗ってあげる際には市販の猫用シャンプーがあればいいのですが、ない場合にはぬるま湯でしっかりと汚れを流し、軽く泡立つ程度にお湯で石鹸を薄めて洗ってあげるのも良いでしょう。

また、顔を洗ってあげるときは、小さなタオルなどで拭いてきれいにします。耳の掃除も必要です。耳には黒い斑点のように汚れが入り込んでいることがあるので、タオルや綿棒などを使いきれいにしてあげましょう。

3、必ず動物病院で検査を受ける

拾ってすぐに動物病院で診てもらうことができればベストですが、先に自宅などに連れて帰ってきたとしても、できるだけ早く動物病院で検査を受けてください。

猫が持っている可能性がある病気は、

猫エイズ(FIV)
猫白血球症感染症(FeLV)
猫カリシウイルス感染症(FCV)

などがあります。一般的な動物病院では、10分〜30分程度で結果を受け取ることが可能です。検査後、できればワクチンや予防接種の注射を受けることをおすすめします。同時にノミ取り薬をつけてもらったり、爪切りをしてもらったりするのも良いでしょう。

ただし、検査内容によっては数千円ほど医療費がかかりますので、事前に準備していきましょう。
(ノミ取り薬は市販もされていますので、慣れてきたらそちらを使用することもできます)

病気のある猫を自己判断で飼育することはおすすめできません。もし、拾ってきた子猫に病気の可能性があるとの診断があった場合には、獣医師の指示を参考にその後の飼育の方向性を相談することをおすすめします。

4、部屋とゲージを分けて飼育する

動物病院で検査を受けて、無事病気はないと確認されても、先住猫と拾ってきた子猫とは生活空間を分けておくことが大切です。ですが、生活空間を分けておくのは一生涯ということではありません。

猫は自分のテリトリーを意識する生き物です。また、猫それぞれで性格が違い、いわゆる人見知りをする猫もいます。
(愛猫家の中には、先住猫か、拾ってきた子猫のどちらかをゲージに入れてからお互いを対面させ、少しずつ慣れさせていく方法をとる方もいました。)

拾ってきた子猫は初めは段ボール箱に入れてあげましょう。段ボール箱を用意する際、子猫が飛び出さない高さのある段ボールを用意します。底をガムテープでとめ、上面の4面は閉めずに立てて外側からガムテープで補強します。段ボール箱の中には、暖かい毛布やタオルなどを敷いてあげましょう。

高さのある段ボールを用意しても、元気のある子猫はジャンプして段ボールを抜け出してしまうことがあります。天板になるように別の段ボールを切って用意し、上から段ボール箱に天井を作るようにしてかぶせ、飛び出し防止の対策にしてあげましょう。

また、天井となる段ボールの位置をずらすなどして調整すると段ボール箱の中に入る光を調整することができます。子猫が寝る時には、段ボールの位置を調整して暗くしてあげましょう。

他にも、先住猫が以前に使っていたゲージがあれば使用可能です。使用する前には、ゲージの掃除と除菌などをしっかりしてあげることが大切です。

ゲージで飼育する場合に気をつけておくべき点

生後数週間くらいの子猫の場合、ゲージの種類によっては格子の間からすり抜けて外に出てしまうことがあるので、周りを段ボールで囲むなどの安全確保をしてあげる
昼寝や夜寝かせる時は、大きめのバスタオルなどをゲージの上からかけ、暗くしてあげる
ゲージ内に設置してある水やご飯の器をひっくり返すことがあるので、水やご飯の器は、底が重く工夫してあるものを選ぶ
ゲージ内にペットシートを敷き、水がこぼれた時や粗相をしてしまった時にも対応できるようにしておく

先住猫と拾った子猫の生活空間を分けることは、病気を移さないことやお互いにテリトリー争いにならないために大切なことです。段ボール箱やゲージを用意して、どちらの猫にとっても快適な環境になるように配慮してあげましょう。

5、子猫用のご飯選びと遊び道具の新調

先住猫と拾ってきた子猫では、体格や体質などの違いがあるかも知れません。それぞれに合ったご飯を用意してあげることが望ましいです。

特に拾ってきた子猫は、生後どのくらいの猫なのか、どのような種類のご飯を与えるべきなのかは、獣医師に相談して決定することがおすすめです。

また、先住猫と拾ってきた子猫が同じ空間で生活をする場合、いつも食べているご飯ではなく、より美味しそうな香りや味がする方を食べてしまうことがあります。
体重管理などのためにご飯を食べている先住猫は、時に子猫用のハイカロリーな美味しいご飯を横取りして食べてしまうこともあるのです。

アレルギーや体重体質管理の観点から、先住猫と拾ってきた子猫が同じご飯で良い場合を除いては、それぞれに合ったご飯を与えるようにすることが大切です。

遊び道具に関しても注意しましょう。先住猫が使用していた遊び道具には、先住猫の匂いがついています。拾ってきた子猫が同じ遊び道具を使うと、先住猫が嫌がることがあります。

お互いに慣れてきた場合には拾ってきた子猫には遊び道具を新調してあげ、先住猫のものとは分けてあげましょう。

6、先住猫への優先的愛情を忘れない

猫の性格にもよりますが、飼い主さんを取られると嫉妬してしまう先住猫もいます。特に先住猫へは優先的に愛情を注いであげましょう。

多くの場合、拾ってきた子猫が小さければ小さいほど、飼い主はそちらに愛情を注ぎがちになります。もちろん、子猫の場合には体調に気を付けたり、危険な遊びをしないか注視したりすることが求められるので、費やす時間が多くなることは仕方ありません。

嫉妬を起こす先住猫の中には、飼い主が不在時に寂しさのあまり泣き続けた結果、一時的に声を枯らしてしまったり、食欲不振や嘔吐を繰り返したりしてしまう例もあります。

ご飯をあげる順番や撫でてあげる順番など、先住猫が嫉妬を起こさないように気配りをすることが大切です。

まとめ

今回は、拾ってきた子猫と先住猫を同居させる上での注意点について紹介しました。

先住猫と拾ってきた子猫を同居させるには、気をつけるべき点がたくさんあります。その一つひとつに気を配ることは大変なことではありますが、命を預かるということはそれだけ責任が発生するということを忘れてはいけません。

先住猫にも拾ってきた子猫にも良い環境を与えたいと考えるのは、飼い主が猫に対して愛情がある証拠と言えます。猫にとっても飼い主にとっても幸せな日々を送るためには、飼い主側のこまめな配慮と愛情が必要不可欠です。

この記事で紹介した注意点を参考にして、拾ってきた子猫と先住猫が快適な日々の生活を過ごせるような環境を提供してあげましょう。