「室内犬の運動不足解消と体調管理」~植物が原因と思われる愛犬の異変、治療、対策について解説

愛犬の健康

はじめに

 私は4人家族で長男は就職で家を離れ、妻と長女の3人でマンションに住んでおり、室内犬(チワワ)を2匹飼っています。愛犬のチワワの年齢は12歳と11歳です。

 2匹のうち1匹(12歳)は散歩が好きということや室内でも走り回っているということもあるので、運動不足にはならないと思っています。

 しかし、もう1匹(11歳)が散歩に連れて出ても歩かないので結局は抱っこしていたり、家の中でもほとんど動かなかったりする(幼い頃からなので年齢によるものではなく、性格だと思っています)ので、運動不足になることが心配でした。

 しかしここ数年、散歩嫌いの1匹が、外出の散歩はしない代わりなのかはわかりませんが、家のベランダには出たいと積極的にアピールをしてくるようになってきたので、運動不足の解消になれば良いと考えた私たち家族は、天気の良い日は2匹をベランダで遊ばせて散歩代わりにしています。

 ベランダではプランターで簡単なガーデニングをしていたり、植物を育てていたりするので、2匹をベランダに出す前には土や葉っぱを掃除するように心がけています。

愛犬に起きた異変

 先日、私も妻も仕事が休日の日にすごく天気の良い日があり、いつものように2匹がベランダに出たいアピールをしてくるので、ベランダ掃除をしてから窓を開けて2匹をベランダに出しました。

 その後、10分くらいしてから2匹ともが室内に戻ってきて、普段通りの生活を送っていたのですが、普段から動き回っている愛犬1匹(12歳)に異変がありました。

 嘔吐をしたのです。しかしこの愛犬は、普段から床を舐めることがあり、落ちている髪の毛が喉に引っかかったりして嘔吐することがたまにあったので、私たちはそこまで気に留めることもなく過ごしていたのですが、時間をあけて合計5回も嘔吐し、若干ですが普段よりも元気がないように見えました。

 風邪でも引いたのかと思って、よく休ませるか動物病院に連れていくか悩んだのですが、念のため動物病院に連れていくことにしました。

異常な「AST」、「ALT」

 以前にもお世話になったことがある動物病院でしたので、先生とのカウンセリングもスムーズに済みました。愛犬の様子も普段とそこまで変わりなかったため、血液検査をしてもらい待合スペースで結果を待っている間も、簡単な風邪薬が出るくらいだろうと思っていました。

 検査室に呼ばれ、血液検査の結果を言われた時には言葉が出ないほど驚きました。肝臓の数値が、機械では計測できないほど高く、振り切れてしまってたのです。

 肝臓機能を図る「AST」は参考基準値が0~50のところ約500で、同じく肝臓機能を図る「ALT」は参考基準値が10~125のところ計測器の最大値である4,000を振り切れてしまいました。

 「AST」も「ALT」も、犬が食べてはいけないとされているチョコレートなどを間違って食べてしまった場合に高くなることはあるけれど、今回のような数字ほど高くなることはないというのです。

 動物病院の先生も、ここまで高い数値は見たことがなく、「考えられるとすれば危険な薬品を飲んだくらいなんですけど…」と言われるほどでした。

愛犬の治療、回復まで

 もちろん愛犬は即入院で入院期間は1週間、最初の3日間は連続で点滴を行い、その後の血液検査次第では点滴も入院も続けます、と言われました。

更に、「ここまで高い数値が出ていることを考えると、命の危険もあるので覚悟しておいてください。」とも言われました。

 愛犬の様子だけ見ているとそこまで重たい症状に見えなかったので、病院に連れていく前と先生からの説明を聞いた後のギャップが大きすぎて、頭の整理が出来ませんでした。

 翌日からは毎日見舞いに行き、3日間の点滴が終わった後の血液検査の結果を聞くのが怖かったことを覚えています。

 血液検査の結果としては、「数値は計測できるところまで下がったもののまだ高く、安心できる数値ではない。」というのものでした。

 先生も私たち家族もそのようなことに至った原因がわからず、不安しかない日々でした。

 本当は1週間の入院予定だったのですが、私たちが見舞いに行った帰り際の愛犬の悲しそうな反応や、私たちがいないときにはエサも水も全く口にしないという反応から、本来の入院の目的とは別に精神的な負担が大きくなりすぎて体調悪化することを懸念し、退院して自宅で投薬して様子を見ることになりました。

 その後は1週間投薬を続けては血液検査に行き、前回よりも数値が下がっていることを確認しました。

 しかしまだ数値が高かったので、投薬をもう1週間延長して再度血液検査に行くと、ほとんど正常値まで数値が下がっており、私たち家族と同じくらい先生にも喜んでいただきました。

異変の原因と対策について

 数値が正常値に戻ったのはいいのですが、原因がわからないままではまた同じことが起こる怖さがあり、不安な日々を過ごしていたのですが、ある日先生からベランダで育てている植物について質問され、ハッとしました。

 トルコキキョウを育てていたのです。キキョウは犬にとって中毒性が強いとされているものでした。

ベランダ掃除はしっかりとしており、プランターなども愛犬には届かない場所に置いていたのですが、風でたまたま愛犬がベランダに出ているタイミングで花びらが舞った可能性がありました。

 心底後悔し、反省しました。自分たちのせいで愛犬を命の危険にさらしてしまったのです。

 いくら掃除をしていても、風で舞ってしまう可能性も考えなければならなかったのに、そこまで考えられていなかったこと。愛犬にはいくら謝っても足りないくらい後悔しました。

 すぐにトルコキキョウは処分し、ベランダには犬に害のない植物のみを置くように変えました。

 また、今までは運動不足解消のためと思って2匹ともをベランダに出していましたが、その後は1匹ずつ出すようにして、その際は家族の誰かも一緒にベランダに出るようにしています。

まとめ

 犬を飼うものとして、体調管理のために運動不足解消を考えるのは当然ですが、それと同時に犬にとってリスクのない生活を考える必要があることの重要性を痛感しました。