はじめに
この記事はウーパールーパーに詳しい方に執筆して頂きました。
前足の指が4本、後ろ足の指が5本のウーパールーパーは、カエルと同じ両生類。いのちは、卵の状態で生まれます。
ウーパールーパーが気になって飼い始めたら、繁殖させてみたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ウーパールーパーの卵を孵化させて、ある程度の大きさまで育てることは実は意外と根気が必要でした。
今回は、ウーパールーパーを卵から育てたいと思った私の経験談をお話します。
●ウーパールーパーの卵の入手方法
自宅でウーパールーパーを育てていても、自然に産卵させるのは少々、難易度が高いもの。
成熟したオスとメスがいなければなりませんし、繁殖期はある程度、決まっているからです。
しかし、最近では卵をネット販売してくれる業者もいますし、ウーパールーパーを飼っている個人から譲ってもらうこともできます。私はSNSで知り合った方に卵を譲ってもらいました。
●ウーパールーパーの卵を30個ほど譲ってもらって
ゼリー状の膜に覆われた卵を30個ほど譲ってもらい、飼育水に入れて、孵化を待ちました。
孵化するまで日数はかかります。その間、飼育水は汚れたら、卵が流れないように注意しながら水替えを行います。
卵の中の変化は毎日、少しずつ確認できます。
途中、白く濁ったような卵があれば、スプーンや茶こしなどですくい取ります。そのままにしておくと水カビが発生し、ほかの健全な卵まで腐ってしまいます。
なお、私は30個の卵を3個ずつ、ヨーグルトなどの容器に飼育水を入れて、様子をみていました。
●ウーパールーパーの孵化
ゼリー状の膜を破って、ウーパールーパーの稚魚は孵化します。メダカの稚魚のように、細い棒状の稚魚です。
容器内のすべての卵が孵化するまで、飼育水はあまりいじらないようにしていました。ただし、汚れが確認できたらスポイトなどで吸い取り、そっと飼育水を足していました。一度にすべての飼育水を替えてしまうと、稚魚はショック死することがあるので慎重に行います。
孵化したての稚魚にエサは不要です。5日ほど経った頃に、ブラインシュリンプを与え、食いつくか、チェックしましょう。
●30個の卵のうち、3センチまで育った子は10匹
ウーパールーパーは一度のおよそ300個ほどの卵を生みます。うまく環境がととのっていれば、半分ほどは育つそうですが、わが家では30個もらった卵のうち、3センチまで育った子は10匹でした。
この頃はすでにヨーグルトの容器は手狭になっていたので、100均一でシューズboxを購入し、それを飼育容器にしていました。エサはブラインシュリンプのみです。
3センチほど育つと、ウーパールーパーの特徴である太い三本のエラや、ひょろっと長い手足がみられます。
小さくても油断してはいけません。複数のウーパールーパーを同じ容器で飼育していると、手足の一部や尾をかじられる子が出てきます。体格の差も出てくるので、大きさ別に分けるようにしましょう。
●5セントほどに育ったら、里親さんを探そう
大きな水槽を用意できたとしても、ウーパールーパーの多頭飼育は、なかなか難しいものがあります。
単独での飼育が望ましいウーパールーパーのために、用意するのは45センチ以上の水槽が必要になります。
わが家では、すべてのウーパールーパーを里親さんに譲ってもらう予定でしたが、1匹だけ、前足を深くかじられた子がいたので、その子だけは残すことにしました。
里親さんはSNSなどで募集ができます。
●たくましいウーパールーパー
前足をかじられ、ほかの子よりも小さかったウーパールーパーですが、現在は見事に前足は再生し、のびのび、元気に育っています。
病気もせず、どうやら健康状態は良好のようです。
20センチ弱まで育っており、今後の成長が楽しみです。
●大変だったのは・・・
卵を譲ってもらい、孵化させるまでは特に苦労はありませんでした。
ところが、孵化した後、ブラインシュリンプを食べるようになってからは、そのブラインシュリンプを作ることに苦労しました。
ブラインシュリンプは、28℃の水温を保ち、塩水、エアレーションを24時間フル稼働させて、孵化させます。夏場は、塩水を作り、日の当たる場所に置いていれば、自然と孵化させることができますが、ウーパールーパーの孵化は早春の頃が多く、加温は必要になるのです。
ウーパールーパーの卵を孵化させることより、ブラインシュリンプを孵化させることの方が大変でした。
●まとめ
ウーパールーパーを卵から孵化させることは初心者でも、そんなに難しいことではありません。
一度くらいはチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。
3センチほどに育つまで、ブラインシュリンプを十分に与えられていれば、その後はぐんぐん成長してくれますよ。